新型コロナウイルスの感染拡大は、このボーナスに暗い影を落とすかもしれない。
ホワイトボードに書き込まれているのは、大手企業からの賃上げ回答額。
春闘の集中回答日となった11日、日本を代表する企業・トヨタ自動車は、基本給の底上げとなるベースアップをゼロと回答。
トヨタだけではない。
日本製鉄など、鉄鋼3社も“ベアゼロ”。
トヨタなどが、ベアゼロとなるのは、7年ぶりのこと。
この7年ぶりのベアゼロは、何を意味するのか。
実は7年前は、「アベノミクス」をかかげた第2次安倍政権が発足後、初の春闘が行われた年。
この年から、安倍首相は経済界に賃上げを要請。
安倍首相は2019年、その成果を「いわゆるアベノミクスを進めてきた結果、給料も上がっています。今世紀に入って最も高い水準の賃上げが、5年連続で行われている」と強調していた。
このアベノミクスの成果であるはずのベアが、トヨタでゼロに。
ベアゼロの理由について、トヨタは、「今の環境下では、何が起こるのかわからないので、まず、雇用を守ることを最優先した。そのため、ベアは上げなかった。新型肺炎をふまえた判断ではない」としている。
一方で、同じくベアゼロと回答した日本製鉄などは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響も要因の1つと説明している。
新型コロナウイルスによる経済への打撃について、10日の国会では、驚きの数字が示された。
第一生命経済研究所・熊野英生さん「3カ月間、国内の自粛が続くと、インバウンドの4,000億円とあわせて、約2.3兆円ほど損失が増える」
日本経済に吹く強い逆風。
気になるのが、ボーナスへの影響。
2人の経済のプロに予想してもらった。
「3%から5%くらい下がりそうですね」と予想した、第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミスト。
しかし、新型コロナウイルスの影響が出るのは、さらに先だと指摘する。
永濱首席エコノミスト「(新型コロナウイルスの影響が)長期化して、来年度の企業業績が大きく落ち込めば、それこそ、来年の春闘を受けて、翌年のボーナスが5%～10%減る可能性も」
経済ジャーナリストの荻原博子さんも、大企業のボーナスについては、-3%前後としたうえで、中小企業の場合はさらに深刻との見方を示した。
経済ジャーナリスト・荻原さん「中小企業の場合には、最悪の場合、ボーナスがないかもしれない。これから長期化すればするほど、やはり資金繰りに困るところが出てくる。いきなり倒産することもあり得る。1つが倒産すると、連鎖倒産っていうものが出てくる可能性がある」
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March 11, 2020 at 05:56PM
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「自粛3カ月で2.3兆円損失」 経済直撃でボーナスどうなる? - www.fnn.jp
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