ANAホールディングス（9202）の福沢一郎取締役は29日、2020年4～6月期決算のオンライン記者会見を開いた。4～6月期の連結決算は1088億円の最終赤字となり、「四半期決算では過去最大の損失となった」と話した。第1四半期で、約1620億円のコスト削減対策を実施したと説明したうえで、7月以降も一層のコスト削減を進める方針を示した。変動費の抑制で約1800億円、一時帰休など人件費の抑制や削減により約560億円、200億円弱を緊急のコスト対策にあて「現時点でトータルで2550億円を見積もっている」と話した。
新型コロナウイルスの感染拡大により大幅に落ち込んだ旅客需要の回復については「国内線は2021年度末をターゲットに置いており、国際線は23年度末にかけて緩やかに回復していく」との見通しを示した。新型コロナについては「8月に収束する前提でみていたが、確実に遠のいている」として、春先の想定より収束時期は遅れるとの見方を示した。足元の環境については国内線では「需要自体は弱含んでいる状況だ」と話した。国際線についても「事業規模のマイナスは第1四半期と大きな展開の違いはない」という。
コスト削減策としての希望退職などの人員削減策については「雇用を守りながら今の危機を乗り越える基本方針は変わっていない」として、否定的な見方を示した。一時帰休やワークシェアの取り組みを引き続き実施していくとした。
引き続き「未定」だった通期業績見通しについては、「少なくとも半年を実行したなかであれば、下期の前提はある程度確度が高いものを置ける」と説明。そのうえで「中間の折り返し地点では一定の前提を置きながら、通期業績を開示していきたい」と話した。
〔日経QUICKニュース（NQN）〕
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July 29, 2020 at 03:22PM
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