青森銀行のコンサルティング会社「あおもり創生パートナーズ」が、今年の「弘前さくらまつり」と「青森ねぶた祭」が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となったことによる経済的損失について、総額575億2千万円に上るという推計結果をまとめた。飲食業や宿泊業などのサービス業が特に大きなダメージを受けることが、数字からも明らかになった。
2019年の入り込み客数（弘前さくらまつり289万人、青森ねぶた祭285万人）をもとに、宿泊の有無や消費額などは県の統計を用いて推計した。
二つの祭りが実施された場合に入り込み客が消費したと考えられる宿泊費や飲食代、交通費、土産物代などの額が、総計1013億3千万円に上った。このうち県外製品や県外からの仕入れ分を除いた県産品の売上額は688億7千万円。二つの祭りの中止で、経費を除いた粗利益額の392億3千万円の損失が生じると推計されるという。
需要の減少が他産業に波及して生じる損失額を105億9千万円、雇用者所得の減少によって生じる損失は77億円と見込んだ。これらと粗利益額の損失を合わせた県全体の経済的損失は575億2千万円に上る。内訳は弘前さくらまつりが289億6千万円、青森ねぶた祭は285億6千万円。
祭りが実施された場合に見込まれた売上額688億7千万円を業種別でみると、飲食業や宿泊業などの「対個人サービス」が511億2千万円で、全体の7割強と突出している。次いでバス、タクシーなどの旅客運輸業を含む「運輸・郵便」が69億6千万円だった。
あおもり創生パートナーズの松田英嗣・地域デザイン部長は「飲食、宿泊業が局所的に大きな損失を受けている」と話した上で、国からの10万円の特別定額給付金について、「県内での飲食や宿泊に意識して使うことで、県民のみんなで事業者を支えていくことにつながるのではないか」と述べた。（武沢昌英）
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July 08, 2020 at 08:30AM
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