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既存Ethernetで電力を送るPoE、MOSFET整流器で損失を1/4に - ITpro

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 Power over Ethernet(PoE)の採用によって、既存のEthernetのインフラストラクチャーを利用してデータに加えて電力を送ることが可能になる。電力を同時に送っても、Ethernetが備えている柔軟性や信頼性・セキュリティーを確保できる。PoEの規格の第1版はIEEE 802.3afとして標準化された。最新版はIEEE 802.3btとして標準化されており、高い市場競争力を持つ。カテゴリー5/6のケーブルを使い、最大90Wの給電と10G-BASE-Tのデータ通信が同時に行える。

IEEE 802.3btの標準化で90Wを給電可能

 PoE第1版のIEEE 802.3afでは、タイプ1の給電側機器「PSE:Power Sourcing Equipment」は最大15.4W、タイプ2のPSEは最大30Wの電力を送ることができた。2018年9月にリリースされたIEEE 802.3btでは、タイプ3 とタイプ4のPSEが定義され、それぞれ60Wおよび90Wを給電できる。これにより、インターネット接続機器にPoEが普及する準備が整った。例えば、無線通信や移動電話の基地局、パン・チルト・ズーム(PZT:Pan Tilt Zoom)可能なドーム型監視カメラ、テレビ受像機、インタラクティブディスプレー、キオスク端末など がPoE対応になれば、1本の低電圧ケーブルで高速通信と給電の両方が可能になる。ケーブル数が減少することから、スマートビル管理やIoT(Internet of Things)/IIoT(Industrial IoT)実現が容易になるだろう。

 PoEは有線通信と給電が一体となったシステムで、既存のEhternetのネットワークを使いエンドポイント機器に電力を送る。このシステムにおいてPSEは、RJ45コネクターが付いた4組のより対線(8本の線)ケーブル(カテゴリー5/5e/6/6a)を使い、受電側機器「PD:Powered Device」に給電する。PSEの出力電圧は 最大57Vである。60V未満のため安全超低電圧回路(Safety Extra Low Voltage)となり、資格を持った電気技師でなくても、市販のケーブルを使って実装や保守が行える。PoEの規格では、Ethernetケーブル上で伝送される電力は1つのポート当たり最大90Wと定められている。

 最新版のPoEであるIEEE 802.3btは、当初は2017年中の公開を目指していた。しかし、既存版のPoEとの後方互換性を担保するために、2018年9月の正式リリースまで更新が続いた。IEEE 802.3btでは、タイプ3とタイプ4のPSEとPDが加えられた。これらの2つのタイプでは、より大きな電流を流せるように、4つのより対線で2種類のパワーモード(モードA、モードB)を同時に使えるようになった。 一般に4PPoE(4 Pair PoE)モードと呼ばれる。なお、タイプ1やタイプ2では2つのより対線を使っている。また、IEEE 802.3btでは、クラスも追加になった。クラス5~8が追加となり、相互認証プロセスが進歩し、自動クラス分けも可能になった。さらに、待機時消費電力が下がったり、10G-BASE-T通信と同時のPoEが可能になったりもした。

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May 27, 2020 at 03:00AM
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