欧州の航空会社、旅客55％減で890億ドル損失 IATA予測、雇用危機を懸念 - Aviation Wire

　IATA（国際航空運送協会）は現地時間4月23日、欧州の航空会社は今年の減収規模が890億ドル（約9兆5755億円）に拡大し、RPK（有償旅客キロ）に基づく旅客需要は2019年の水準を55％下回るとの予測を発表した。中国から拡散した新型コロナウイルスの影響で雇用不安が拡大しかねず、航空輸送網を維持するため、各国政府に対応を求めた。

旅客数が前年比55％減で890億ドルの減収が見込まれる欧州の航空会社（資料写真）＝20年1月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　前回3月24日発表の値（760億ドル、46％）よりも拡大した。現在の航空輸送網の90％が崩壊した場合、約670万人の雇用が危険にさらされ、欧州全体で4520億ドルのマイナスのGDP（国内総生産）影響をもたらす可能性があると試算している。今回の値は、3月の予測である560万人の雇用影響から110万人、3780億ドルとしていたGDP影響から740億ドルそれぞれ悪化するとの見方を示した。IATAでは、厳しい渡航制限が3カ月間続くとみている。

　欧州各国への影響については、英国は1億4000万人の乗客減少により、261億ドルの減収となり、約66万1200人の雇用危機と約503億ドルの英国経済への影響を懸念。スペインは1億1400万人の乗客減で155億ドルの減収、90万1300人の雇用と594億ドルの同国経済への影響、ドイツは1億300万人減で179億ドル減収、48万3600人の雇用と340億ドルの経済影響、イタリアは8300万人減で115億ドル減収、31万400人の雇用と211億ドルの経済影響、フランスは8000万人減で143億ドル減収、39万2500人の雇用と352億ドルの経済影響を予測した。

　IATAは経済的ダメージを最小限に抑えるため、欧州各国の政府に航空会社への金融支援や融資、税負担の軽減、運休条件の緩和などを求めた。

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IATA

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